「ひとり起業に興味がある」
「ひとり起業で成功したい」
このように考えている方も多いのではないでしょうか。
本記事では、「ひとり起業で成功する人と失敗する人の特徴」について徹底解説していきます。
ひとり起業で成功するための秘訣、マインドや考え方にも触れているので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
ひとり起業とは?
ひとり起業とは、文字通り、「ひとりだけで起業すること」「ひとりで事業を立ち上げること」を意味します。
会社員を辞めて独立する場合もあれば、副業的な感覚でひとり起業するケースもあります。
ひとり起業の主なメリットは、以下の通りです。
- 少額資金でも始めやすい
- 時間の制約を受けない
- 自分の考えや判断に基づいて行動できる
- 上司がいない
「自由度の高さ」が、ひとり起業の最大の特徴だと言えるでしょう。
ただし、当たり前ですが、起業は必ず成功するとは限りません。
オンオフの切り替えが難しいうえに、以下のような「ひとりならではのデメリット」も多いです。
- すべて自己責任
- 代わりとなる人がいない
- 本業以外の事務作業も担当しなければならない
また、ひとり起業には、「個人事業主として開業する」と「法人を設立する」という2通りの形態が存在します。それぞれの違いを簡単にまとめましたので、参考にしてみてください。
個人事業主 | 法人 | |
開業方法 | 開業届を税務署に提出
(手間がかからない) |
商業登記が必要
(手間がかかる) |
設立費用 | 不要 | 10万円~30万円 |
税金 | 経費基準が狭い | 経費基準が広い
(より節税しやすい) |
社会的信用度 | 比較的低い | 比較的高い |
まずは個人事業主としてスタートし、一定の所得を超えた段階で法人化する人も多いです。
ひとり起業で成功する人と失敗する人の特徴
成功する人の特徴
ここでは、「ひとり起業で成功する人の特徴」について解説していきます。
具体的には、以下の4点です。
- ひとり起業の目的を決めていること
- ビジネスプランの大枠を決めていること
- 一点集中にこだわり、手を広げすぎないこと
- 目標は長期・中期・短期と、明確に設定し、逆算して計画を立てていること
順に見ていきましょう。
ひとり起業の目的を決めていること
まずは、ひとり起業を行う目的をはっきりさせましょう。
ゴールが定まっていないと、やるべきことの優先順位が曖昧になり、中途半端なビジネスになってしまうからです。「起業した」という事実だけで満足してしまう人も少なくありません。
例えば、「○年間で○○円稼ぎたい」という目標を立てた場合と、「○○分野の○○課題を解決したい」という目標を立てた場合とでは、ビジネスの進め方は大きく変わってくるでしょう。
ぜひ、「起業によって何を実現したいのか」「最終的にどうなりたいのか」を改めて考えてみてください。
ビジネスプランの大枠を決めていること
本格的にひとり起業を始める前に、あらかじめ大まかなビジネスプランを決めておくことも重要です。
無計画で、行き当たりばったりで起業しても、当然上手くいきません。
目的達成のために何が必要なのか、どのようなビジネスプランで勝負するのか、しっかりと計画するようにしましょう。
「ビジネスプランの決め方がよく分からない」という方は、以下のポイントから考え始めてみてください。
- Who:ターゲット層はどこか
- What:どのような商品・サービスを提供するのか
- How:どのように収益を上げるのか
一点集中にこだわり、手を広げすぎないこと
最初から手を広げすぎないことも大切です。
ビジネスが軌道に乗っていないにもかかわらず、あれこれと手を出し、仕事の規模を大きくしてしまうのは非常に危険です。
売上は上がらずに、金銭コスト・管理コストだけが増えていけば、結果的に事業撤退せざるを得ないでしょう。
まずはスモールスタートを心掛け、ひとつのビジネスに集中するようにしてください。
目標は長期・中期・短期と、明確に設定し、逆算して計画を立てていること
ひとり起業に成功している人の多くは、長期・中期・短期で目標を設定し、そこから逆算して行動計画を立てています。
長期的な目標だけだと、夢を描くだけで行動に移せなかったり、モチベーションの管理が難しかったりするでしょう。
逆に短期的な目標だけだと、視野が狭くなり、目指すべき方向を見失ってしまう可能性があります。
以下のようなイメージで、3段階に分けて目標設定を行ってみてください。
- 長期目標:1年~5年 ひとり起業で達成したい最終的な目標
- 中期目標:数ヶ月~1年 長期目標を達成するためのステップ
- 短期目標:1週間~1ヶ月 中期目標を達成するためのステップ
それぞれの目標から逆算して「何をすべきなのか」を考えると、具体的な行動計画が出来上がるでしょう。
失敗する人の特徴
続いて、「ひとり起業で失敗する人の特徴」について解説します。
- 完全オリジナルにこだわる
- 自己流でやってしまう
- すべて一人でこなそうとする
- 計画性がなく、勢いだけで突き進んでいってしまう
ぜひ頭に入れておきましょう。
完全オリジナルにこだわる
オリジナルのビジネスモデルを構築しようとする人は、起業で失敗しやすいと言えます。
たしかに完全オリジナルのビジネスを始めれば、競合がいないため、簡単に儲かりそうな気がします。
しかし、世の中そう甘くはなく、新規のビジネスモデルはなかなか通用しないのが現状でしょう。
自分でゼロから考えるのではなく、既に成功しているビジネスモデルを複数集め、研究してみることをおすすめします。
ある程度成功パターンを把握したうえで、自分だけの付加価値を見出すことが重要です。
自己流でやってしまう
起業ノウハウを学ばずに、自己流でやってしまう人も注意が必要です。
ビジネスに100%の正解はありませんが、「正しい手順」「基本となる型」は存在します。
それらを無視し、自己流で活動しても、なかなか上手くいかないでしょう。
自分だけの起業マニュアルを作るのではなく、先人たちの成功体験・失敗体験を参考にすることが重要です。ぜひ、書籍やセミナーなどを活用し、起業ノウハウを学んでみてください。
すべて一人でこなそうとする
すべての作業を自分だけでこなそうとする人も、十分に注意してください。
ビジネスでは、自分の強み・長所を最大限活かすことが大切です。
にもかかわらず、自分が苦手な作業にも時間を割いていては、努力しても結果にはつながりにくいでしょう。
「ひとり起業」とは言うものの、何から何まで、完全にひとりで担当する必要はありません。
ツールに任せたり、第三者に頼ってみたりして、生産性を上げていきましょう。
計画性がなく、勢いだけで突き進んでいってしまう
計画性がない人も、ひとり起業で成功しにくいと言えるでしょう。
もちろんビジネスにおいて「行動力」は非常に大切です。「ノリ」や「勢い」がプラスに働くこともあるでしょう。
しかし、勢いだけで成功できるほど、起業は甘くありません。
「なんとかなるだろう」と突き進んでしまうのは、リスクが高すぎます
以下のような準備をしっかり整え、計画性を持って行動するようにしてください。
- 長期・中期・短期で目標を設定する
- 最低限の資金調達を行う
- 具体的な事業計画書を作成する
ひとり起業で成功するための秘訣
「ひとり起業の成功ノウハウが知りたい」という人も多いでしょう。
そこでこの章では、「ひとり起業で成功するための秘訣」を5つ紹介します。
- 時間管理の徹底
- ひとり起業はひとりでしない
- サービスを利用した人間関係の構築
- 体調管理と老後の備え
- 努力を楽に、楽しんで続けられるようにする
順に見ていきましょう。
時間管理の徹底
まず、「時間管理の徹底」です。
上述の通り、ひとり起業の最大の特徴は、「自由度の高さ」にあります。
好きな場所で、好きなタイミングで働けるのは、大きなメリットだと言えるでしょう。
しかし、自由に働ける反面、「自分で時間管理を行わなければならない」というデメリットがあります。
タイムマネジメントがおろそかになると、「仕事が終わらない」「プライベートの時間を確保できない」など、様々な弊害が生じてしまうでしょう。
時間管理を無視して働き続けると、心身に大きな負荷がかかり、仕事のクオリティが下がるだけでなく、怪我や病気のリスクを上げてしまう可能性もあります。
そのため、徹底的に時間管理を行うことをおすすめします。以下のようなタイムマネジメントツールを使ってみるのも良いでしょう。
- Toggl
https://toggl.com/ - Timesheet
https://apps.apple.com/jp/app/timesheet-%E6%99%82%E9%96%93%E8%A8%98%E9%8C%B2/id870644777 - timely
https://timelyapp.com/ - focus booster
https://www.focusboosterapp.com/
ひとり起業はひとりでしない
矛盾しているように聞こえるかもしれませんが、ひとり起業はひとりでしてはいけません。
2章で解説した通り、ビジネスでは、自分の強み・長所を最大限活かすことが重要です。
ゆえに、すべての作業を自分ひとりだけでこなそうとするのはNGです。苦手な仕事は他に任せ、得意な仕事に専念するようにしましょう。
例えば、以下のようなイメージです。
- アウトソーシング(外注)サービスを活用する
- 税理士や行政書士に相談する
- オンライン秘書や電話代行サービスを活用する
- 困ったことがあれば、信頼できる相手に相談する
サービスを利用した人間関係の構築
「ひとり起業」とはいえ、人間関係の構築は必要不可欠です。
広い人脈を持っていれば、やはりビジネスの幅も広がりますし、仕事のチャンスも舞い込んできやすいでしょう。
また、「困ったときに相談できる相手がいるかどうか」も非常に大切です。
さらに、お互いに切磋琢磨できる仲間、サポートしてくれる仲間がいれば、よりビジネスを進めやすくなるでしょう。
しかし、普通に日常生活を送っているだけでは、なかなかビジネス仲間に出会うことはできません。
そのため、ビジネスマッチングアプリなどを活用してみることをおすすめします。
また、「起業家向けのオンラインサロン」や「フリーランス向けの交流イベント」などに参加してみるのも効果的でしょう。
体調管理と老後の備え
当たり前ですが、体調管理も欠かせません。
ひとり起業には、「自分の代わりがいない」という大きなデメリットがあります。
怪我や病気で自分が働けなくなった場合、収入が途絶えてしまうわけです。
そのため、健康を第一に考え、規則正しい生活を送ることが大切です。
実際、睡眠不足の方も多いのではないでしょうか。
しっかりと睡眠時間を確保し、食生活を見直し、運動習慣をつけるようにしてください。
また、会社員時代とは違い、年に1回、無料で健康診断を受けられるわけではありません。
ゆえに、自分で意識的に、健康診断や人間ドックを受診するようにしましょう。
さらに、老後に備えておくことも大切です。
「iDeCo(個人型確定拠出年金)」や「つみたてNISA(少額非課税制度)」などを活用し、経済的な不安を軽減しながら、少しずつ資産運用しておくことをおすすめします。
努力を楽に、楽しんで続けられるようにする
「努力を楽しめるかどうか」も非常に大切な要素です。
毎日苦しい思いをして、嫌々努力を続けていくのは大変です。
無理をし過ぎると、身体的にも精神的にも疲弊し、最終的にひとり起業は上手くいかないでしょう。
一方で、仕組みや環境を利用しながら、努力を無意識的に楽しむことができれば、結果は後から付いてきます。
「努力しようとして努力する」のではなく、「気付いたらたくさん努力していた」というようなイメージです。
古代中国の思想家である孔子も、「努力する者は楽しむ者に勝てない」という名言を残しているそうです。
以下に、「努力を楽しんで続けるためのポイント」を挙げておきますので、ぜひ参考にしてください。
- 常に未来を想像する
- 小さな目標を設定し、できたこと、達成したことを振り返る
- 成果を記録する
- 絶対に焦らない
起業に成功するためのマインド・考え方
最後に、「ひとり起業に成功するためのマインド・考え方」について解説していきます。
具体的には、以下の5点です。
- 他責にしない
- 小さいことから始める
- 顧客の視点から考える
- 適切な人に相談し、意見を取り入れる
- 1回の成功よりも100回の失敗!失敗を集める
他責にしない
まず、「他責にしないで自責する」という考え方が大切です。
残念ながら、必ず成功するビジネスモデルは存在しません。
どれだけ入念に事業計画書を作り、最適な準備をして起業したとしても、どこかで必ず壁にぶつかるでしょう。
例えば、思うように商品が売れなくなったとき、「お客さんのせいだ」「ライバル店のせいだ」と他責思考に陥るのは良くありません。他者に責任をなすりつけたところで、事態は好転しません。
そうではなく、「自分のビジネスに何か問題があったのだ」「課題はどこだろう」と、すぐに自己分析を始めるようにしてください。
商品自体に問題があったのかもしれませんし、集客方法や販売方法に問題があったのかもしれません。
重要なのは、「自己分析して課題を見つけ、改善する」というプロセスです。
小さいことから始める
2章でも触れましたが、ひとり起業では、いきなり手を広げすぎないことが大切です。スモールスタートを意識してください。
最初から大きなリスクを取ってしまうと、立ち直れないほどの大ダメージを受ける可能性があるからです。
以下は、よくある失敗例です。
- 売れる根拠もないのに、大量に商品を仕入れてしまう
- いきなりリスティング広告に多額の費用をかけてしまう
- 一等地でオフィスを借りてしまう
以下のようなイメージで、スモールスタートを心掛けましょう。
- まずは確実に売れる分だけ仕入れる
- SNSアカウントを活用して集客を行う
- コワーキングスペースを利用してみる
顧客の視点から考える
「常に顧客視点に立つ」ことも忘れないでください。
どのような分野で起業したとしても、お客様なしでビジネスは成り立ちません。
近年、顧客の購買行動は、非常に複雑化・多様化しています。
「売りたいものを売る」のではなく、「顧客が欲しいものを売る」という意識を持つようにしてください。
顧客理解を深めるために、カスタマージャーニーマップを作成してみるのもおすすめです。
カスタマージャーニーとは、顧客が商品やサービスを購入するまでのプロセスのこと。
それを見える化したものが、カスタマージャーニーマップです。
顧客がどのように商品を認知し、どのような感情を抱き、どのような理由で購買に至ったのか。
そのような流れを研究することで、顧客の行動や感情の変化を理解できるようになります。
そのため、顧客目線で、より深い戦略立案が可能になるでしょう。
適切な人に相談し、意見を取り入れる
信頼できる相手に相談し、アドバイスをもらうことも重要です。
ひとりでビジネスを進める場合、どうしても視野が狭くなってしまうことがあります。
自分が良いと感じている商品でも、他人から見れば微妙かもしれません。
信頼できる先輩やビジネス仲間がいれば、「ここはこうした方が良いんじゃないか」というアドバイスをもらえるでしょう。
第三者の客観的な意見は、ビジネスを成功させるうえで大いに役立ちます。
また、仕事が行き詰まったときは、家族や友人に相談してみるのもおすすめです。
皆さんの性格をよく理解している家族や友人であれば、親身になって話を聞いてくれるはずです。
具体的な仕事のアドバイスはもらえないかもしれませんが、話すだけで気が楽になることもあるでしょう。
1回の成功よりも100回の失敗!失敗を集める
ひとり起業に失敗はつきものです。最初から完璧を目指すのではなく、何度も失敗を繰り返す覚悟で、粘り強くビジネスを進めていきましょう。
例えば、以下のような失敗やトラブルは、誰しもが経験することになるでしょう。
- 何ヶ月も赤字が続いてしまった
- 思うように集客ができない
- 納期に遅れてしまい、クライアントから怒られた
- クライアントが音信不通になった
- 想定外の出費が重なった
赤字が続いてしまったのであれば、事業計画を見直せばよいのです。
納期に間に合わなかったのであれば、「次はどのようにスケジュール管理すべきか」を考えましょう。
もちろん周りに迷惑をかけすぎてはいけませんが、失敗やトラブルを過度に恐れる必要はありません。「そこから何を学び、どう活かすか」が重要です。
まとめ
「ひとり起業で成功する人と失敗する人の特徴」について徹底解説しました。
また、ひとり起業で成功するための秘訣、マインドや考え方も紹介しました。
【ひとり起業で成功する人の特徴4選】
- ひとり起業の目的を決めていること
- ビジネスプランの大枠を決めていること
- 一点集中にこだわり、手を広げすぎないこと
- 目標は長期・中期・短期と、明確に設定し、逆算して計画を立てていること
【ひとり起業で失敗する人の特徴4選】
- 完全オリジナルにこだわる
- 自己流でやってしまう
- すべて一人でこなそうとする
- 計画性がなく、勢いだけで突き進んでいってしまう
ひとり起業を成功させるためには、時間管理や体調管理を徹底することが大切です。
また、困ったときには信頼できる相手に相談し、客観的なアドバイスをもらうことが重要です。
ぜひ当記事を参考にしながら、ひとり起業に関する理解を深めてください。
皆さんのビジネスが成功することを心から願っております。