フリーランスでも保育園に預けることはできる?就労証明書の書き方や準備のポイントについて解説

フリーランスは最近注目を集めている働き方ですが、フリーランスとして働くことを検討しているママのなかには、「フリーランスでも保育園に子どもを預けられる…?」と不安に思っている人も多いのではないでしょうか。

今回は、フリーランスは保育園に預けられるのか、また入園審査に必要な就労証明書の書き方や準備のポイントについて解説します!

目次

フリーランスでも子どもを保育園に預けられる

業務委託で仕事をしているフリーランスの人でも、働いていて保育園を利用する必要性がある場合には子どもを預けられます。

ただし、フリーランスが保育園に子どもを預ける場合は、次の点に注意が必要です。

フリーランスは保育園の選考で不利になる

フリーランスは、保育園の入園選考で不利になる場合があります。

保育園は、就労などの理由で保育が困難な家庭に対して提供されるサービスです。そのため、就労が理由で保育園を利用する場合には、審査にあたって働いていることを証明する必要があります。

会社員の場合は、あらかじめ決められた勤務時間で働くため、働いている時間や日数が明確です。会社に就労証明書を記入してもらって就業事実を証明することもできます。

一方で、フリーランスの場合、一般的には勤務時間が明確でなく、第三者に働いていることを証明するのが難しいことから、選考で不利になる場合がある点に注意が必要です。

自治体ごとにルールが違うので情報収集が必要

フリーランスの保育園入園条件は自治体によって異なるため、事前の情報収集が必要です。

多くの自治体では、認可保育園入園の選考に「点数制」を使用しています。点数制は、家庭や就労状況をポイント化して合算した合計点によって選考を行う仕組みです。ただし、自治体ごとに審査基準は異なるため、まずは、どのような場合であれば選考に有利なのか、点数の計算方法などを把握することが大切です。

ご自身がお住まいの自治体のホームページで確認したり、役所の職員に質問したりするなどして、しっかりと情報収集をしておきましょう。

フリーランスが子どもを保育園に預けるときに必要な準備のポイント

フリーランスが保育園に子どもを預けるためには、選考で不利にならないよう、あらかじめ準備しておくことが大切です。

そのために注意しておきたいポイントとして、次の5つが挙げられます。

勤務実績をアピールする

「週5日/1日8時間以上」といったフルタイムの就労時間があると、多くの自治体で会社員と同等の点数を確保できます。そのため、長時間の勤務実績をアピールすることで選考が有利になります。

ただし、就労時間をただ自己申告するだけでは認められないため、就労実績を作って客観的に証明できるようアピールすることが必要です。たとえば、「クライアントとの打ち合わせを設けて記録を付ける」「仕事の実績(成果物)を提示できるようにしておく」など、働いた証拠になるものを残していきましょう。

勤務形態を把握しておく

「フリーランスで働いている」といっても、実際のワークスタイルは人によりさまざまです。保育園の選考で不利にならないためには、自身の勤務形態をきちんと把握しておくことも必要です。

フリーランスは、企業と業務委託契約を結んで仕事をするケースが多くあります。ただし、フリーランスの定義は「企業に雇用されず、自由に契約をして仕事をする働き方」のため、企業と業務委託契約を結んで仕事をしている人だけがフリーランスではありません。

クラウドソーシングで仕事を見つけて業務を行う場合もあれば、ハンドメイド作家のように、自ら顧客に商品を販売する形で活動する場合もあります。そのため、自身がどのような形態で仕事をしているのか、説明できるようにしておきましょう。

就労実績を作っておく

保育園の選考では、就労時間が長いほど高いポイントを獲得できるため、長時間就労している実績を作っておくとよいでしょう。

入園審査に必要な書類には、就業日数や就業時間を記入する項目があります。実際の就業日数や時間を詳細に記載できるよう、提出書類を記入する前から、できるだけ長めに仕事をして就労実績を作っておくことがポイントです。

会社員のように勤務時間を決めておき、仕事をしている時間を明確に記入できるようにするとよいでしょう。もし決まった時間に仕事をしていない場合でも、どのくらい仕事をしているのかを把握しておくことが必要です。

認可外保育施設を利用する

認可外保育施設を利用して、保育実績を作っておくことも有効です。自治体によっては、認可外保育施設の利用が確認できた場合に加点されるケースがあるためです。

たとえば、認可外保育施設の一つである「ベビーシッター」を利用すると、ベビーシッターからもらう「受託証明書」を自治体に提出することで加点される場合があります。また、仕事と育児の両立が難しいことを証明できるメリットもあるため、ベビーシッターの利用実績を作っておくのも一つの方法です。

企業常駐の案件を受ける

入園審査では「宅外で働いているかどうか」が重視される場合があります。そのため、企業の常駐案件を受注することも、保育園の選考に有利になる可能性があります。

常駐案件とは、クライアント企業に出向いて仕事をする働き方です。常駐で働く日数は週2~5日程度など、クライアントとの契約内容によって異なります。

自宅で仕事をしている場合は「保育の必要性が低い」と見なされることがありますが、常駐案件は会社員と近しい環境で働くことになるため、自治体によっては自宅で仕事をするよりも入園選考の点数アップにつながる場合があります。

もし、これから仕事を獲得する場合は、常駐案件を選び、宅外で働いている実績を残しておくのもよいでしょう。

フリーランスが子どもを保育園に預けるために必要な書類

このセクションでは、フリーランスが子どもを預けるために必要となる主な書類を紹介します。

ただし、自治体によって提出を求められる書類の内容は異なります。詳細については各自治体のWebサイトなどで確認してください。

就労証明書

保育園の入園申請には、就労証明書が必要です。就労証明書とは、「働いていることを証明する書類」のことです。

就労証明書は会社員・フリーランスにかかわりなく提出が必要で、この書類をもとに自治体が入園の選考を行います。就労証明書の内容によって入園審査が左右されることもあるため、必要な書類の中でもとくに重要性が高いものです。就労時間など、必要な項目をきちんと記載できるようにしておきましょう。

業務委託契約書などの契約書

業務委託契約書などの契約書は、フリーランスで仕事をしている証拠となる可能性があります。企業と業務委託契約を結んで仕事をしている場合には、あわせて提出できるようにしておきましょう。

ただし、なかには、とくに契約書を交わさずに業務を行っている場合もあるでしょう。契約書がない場合は、他の書類を用意して、事業の実態を証明できるようにする必要があります。

業務していることが証明できる書類

フリーランスとして働いていることを証明できる書類があれば、そちらも用意しておきましょう。

フリーランスが保育園を利用するにあたり、必要となる書類は自治体によって異なります。担当者との話し合いで提出書類を決める場合もあるため、どのような書類が必要か、事前にお住まいの自治体へ確認するとよいでしょう。

保育の必要性を伝えるためには、事業の実態を正しく詳細に伝える必要があります。自治体に保育園の必要性をしっかりと伝えられるように準備をしておくことが重要です。

就労状況申告書(自営業者用)

フリーランスは、就労証明書の代わりに、就労状況申告書の提出が必要な場合があります。

就労状況申告書は、就労証明書と同様に保育の必要性について証明する書類で、自治体によっては提出を求められます。この書類は役所で取り寄せるか、自治体のホームページからのダウンロードによって入手可能です。

就業状況申告書には、後で解説する「開業届のコピー」や「確定申告書や青色決算申告書(収支内訳書)の控え」のほか、仕事の実績がわかるものを添付書類として求められる場合が多いため、あわせて準備しておきましょう。

開業届のコピー

開業届は、個人事業を開業したことを税務署に申告するための書類です。フリーランスとして働いている証明として開業届を提出すると役立ちます。

すでに個人事業主として開業している人は、「税務署の受付印が押印された開業届の控え」のコピーを用意しておきましょう。もし開業届の控えがない場合には、税務署で再発行してもらう必要があります。

まだ開業届を出していない人は、まず開業届を提出しましょう。開業届は、赤字や収益がない状態だったとしても提出が可能です。ただし、税務署の受付印を押印した控えを発行してもらうのを忘れないようにしてください。

所得税の申告関係書類のコピー

フリーランスで収入を得ている証明として、所得税の申告関係書類(確定申告書など)のコピーも有効です。青色申告書には前年の収入が書かれているため、コピーを提出すれば「フリーランスとして働いて収入を得ていること」を証明できます。

具体的には、「直近の確定申告書控え」「青色決算書・白色収支内訳書の控え」「源泉徴収票の写し」などの書類が該当します。確定申告書は、「税務署の受付印(電子申告の場合は受信記録)」があるものを用意しておきましょう。

仕事内容が確認できる書類や資料など

開業届を出していない場合などには、フリーランスとして働いていることが客観的に証明できる、次のような書類や資料の提出が必要になることがあります。

  1. クライアントが発行した報酬支払通知書や発注書、請求書
  2. 事業(仕事用)のホームページ、パンフレット
  3. クライアントとやり取りをしたメールのコピー
  4. クライアントに発行した請求書の控え
  5.  仕事の成果物(自分が執筆した記事、制作したWebサイトなど)をプリントアウトしたもの

もし支払通知書のコピーなどを提出する場合には、あらかじめクライアントへ許可をとっておくことも必要です。

フリーランスの就労証明書の書き方

会社員であれば会社の人事などに就労証明書の作成を依頼するのが一般的ですが、雇用先のないフリーランスの場合は、どのように就労証明書を作成すればよいのでしょうか。

以下では、就労証明書の書き方のポイントを解説します。

フリーランスは自分で就労証明書を書く

会社員であれば会社に記載を依頼しますが、フリーランスは自分で就労証明書を書いて提出します。

就労証明書のフォーマットは、自治体の窓口もしくはWebサイトからダウンロードして入手が可能です。また、保育園の説明会でもらえる場合もあります。

書類を入手したらボールペンで記入し、自治体の窓口へ持参もしくは郵送で提出します。もしくは、マイナポータルでオンライン申請が可能な場合もあるため、詳細について自治体のWebサイトから確認しておきましょう。

ただし、証明書は「締切日から3ヶ月以内に発行したものが有効」とされていることが多くあります。それよりも早くから書類を準備してしまうと無効になってしまうことに注意が必要です。

就労証明書の主な記載項目

就労証明書には、主に次の項目への記載が必要です。

項目 記載内容
証明日 就労証明書の提出日を記入
所在地 証明書を発行する事業所(自宅)の住所を
記入
事業所名 屋号名を記入(開業届を提出済みで屋号を
付けた場合)
代表者名・所在地・電話番号 自身の名前・事業所(事業を行っている
場所)の住所・電話番号を記入
担当者名 自身の名前
記載者連絡先 書類記入者の連絡先を記入
本人氏名・生年月日 自身の名前と生年月日を記入
本人就労先事業所 事業所名(もしくは実際に働いている
場所)を記入
雇用の形態 自営業主・業務委託など適したものを選択
雇用(予定)期間等 期限がある場合には期間を記入
就労時間
(固定就労の場合、変則就労の場合)
就労時間、休憩時間などを詳細に記入
就労実績 直近3ヶ月で、実際に働いた日数を記入

参考:別添就労証明書(簡易版)標準的な様式NM

ただし、就労証明書の記載項目は自治体によって異なります。書き方に不明点がある場合には、自治体の窓口で確認しながら記入するようにしましょう。提出期限までにスムーズに提出できるよう、添付する書類を含めて早めに用意しておくと安心です。

まとめ

業務委託などで仕事をしているフリーランスでも、子どもを保育園に預けることが可能です。ただし、働いている時間や場所によっては会社員と比べ選考が不利になることがあるため、事前に十分な準備をしておくことが大切です。

「開業届を提出する」「勤務実績を作っておく」などして、フリーランスとして働いていることを客観的に証明できるようにしておきましょう。

申請に必要な就労証明書はフリーランスの場合は自分で書くことになり、書類は自治体の役所窓口・ホームページなどから入手が可能です。なお、選考条件や記入が必要な項目は自治体ごとに異なります。役所に直接問い合わせるなどによって情報収集をしながら、少しでも選考に有利になるように準備を進めてくださいね。

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