【起業家インタビューVol.5 株式会社キャップドゥー・ジャパン 森田晃輝さん】起業とは、たくさんの笑顔をつくり出すこと。

この「起業家インタビュー」の記事では、起業をされた方をゲストに招き、起業にまつわるさまざまなお話を語っていただきます!

今回登場いただくのは、熊本県で株式会社キャップドゥー・ジャパンを創業された、森田晃輝さんです。

ITを活用した中小企業の業務改善コンサルティング事業を手掛けていらっしゃる森田さん。

起業に至るまでにどんな経験をされてきたのか、起業後に味わった苦労、そして起業を考える皆さんへのメッセージまで、貴重なお話をたくさん聞かせていただきました!

これから働き方を変えたいと考えている方や、起業に向けてどんな準備をすればよいか悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください!

目次

森田さんプロフィール・事業紹介

プロフィール

森田 晃輝

株式会社キャップドゥー・ジャパン

代表取締役社長 森田 晃輝さん

熊本県出身。大学卒業後、トヨタレンタリース熊本へ入社。法人営業として8年間勤務後、外資系クラウドサービスを扱うコンサルティング会社へ転職。さらに国会議員の秘書を経て、2016年3月に株式会社キャップドゥー・ジャパンを設立。

会社HP:https://capdo-jp.com/

 

事業内容・規模感

事業内容・規模感

弊社「株式会社キャップドゥー・ジャパン」は、熊本県熊本市東区、熊本県庁から15分くらいの場所にオフィスを構えています。

主な事業内容は、ITを活用した中小企業向けの業務改善コンサルティング。そのなかでも大きく売り上げを伸ばしているのが、クラウドツールによる業務効率化・業務改善・DXサポートの分野です。

簡単にまとめると、世の中にある多種多様なクラウドツールを活用して、日本全国の中小企業のサポートを行っている会社です。2016年に創業し、2022年現在では年商が5億円弱。従業員は12名です。

 

起業の経緯・きっかけ

起業の経緯・きっかけ

私は小学生の頃から「社長になる!」と口にしていました。リーダー気質で、友人からも「オマエは社長になりそうだよな」と言われたりしていて。

そんな幼少期を過ごしていたので、「自分の力でどんなことができるだろう?」という気持ちはずっと頭の中にありました。ただ、もともと自分に自信がある人間ではなかったんです。知らない人とコミュニケーションをとることも得意ではなくて。そんな弱みを克服したいという気持ちもあり、大学卒業後は営業職に就くことを決めました。

新卒で入社したのは「トヨタレンタリース熊本」というトヨタ系列の会社。
そこで8年間、法人営業を担当しました。転機となったのは、社会人6~7年目くらいのときに出会った「クラウドサービス」です。
最初はクラウドのことをほとんど知りませんでしたが、詳しく調べていくと、これはすごい時代になっていくぞと感じて。ものすごく興味が湧いて。

トヨタレンタリースに8年間在籍し、その後、とあるクラウドサービスを提案するコンサルティング会社へ転職。
転職先で1年間働く中で「クラウドこそ今後の日本の中小企業に必要になるしくみだ!」と思い、この分野で起業しようと考えたのです。

 

起業前に大変だったこと・経験したこと

議員秘書となって世の中の流れを学んだ

でも、いざ起業しようと思うと、いろいろなハードルが見えてきました。

当時の自分は経営のこと自体よくわかっていませんでしたし、会社を立ち上げることは簡単にできても、それを維持するためには最低限の資金がいることを実感したのです。

そんなこともあって、そこからさらに2年間、国会議員の秘書を経験しました。
というのも、私の高校の大先輩に国会議員の方がいらして、ちょうどその頃、議員の先輩に今後のことを相談させてもらっていたんです。
そのやりとりの中で「起業の前にうちで勉強するのもいいのでは?」というお話をいただいて、勉強させていただくことにしました。

実は、国会議員の秘書は経営者と出会う機会が多いんです。実際、秘書時代には国の政策を学んだり地方の課題に触れたりする機会に恵まれて、非常に多くの学びを得ることができました。

そして議員秘書として2年が経ち、ようやく自分の中で「いけるぞ!」という自信がついた2016年3月、キャップドゥー・ジャパンを創業する運びとなりました。

 

「中小企業を元気にする会社」をつくるために

「中小企業を元気にする会社」をつくるために

会社員としての1社目と2社目、そして議員秘書時代に数多くの中小企業と出会い、企業が抱えるさまざまな課題が見えました。

そのような経験の中で自然と「中小企業を元気にしたい」という想いが生まれ、中小企業を応援できる会社をつくりたいと考えました。

起業当初はあまり不安もなく、むしろ自信のほうが大きかったですね。

その理由のひとつは、自分に十分な営業力が備わったと実感できていたこと。1社目と2社目で「形のあるもの・ないもの」の両方を扱ってきましたから、どんなものでも売る自信がありました。
加えて、議員秘書時代には世の中の背景や流れなどを学び、人脈もできました。だからこそ、起業をしても生活できるくらいのある程度の売上は立てられるなと。それまでの積み上げがあったからこそ、こんな風に思えたのだろうと思います。

また、当時は弊社のように「業務改善コンサル」をやっている会社がほとんどなかったんです。でも、実はそこにはニーズがすごくあるとわかったので、いけるんじゃないかなと思って。創業以来、お陰様で順調に成長を続けることができました。

 

起業後の苦労・壁を乗り越えるために実践したこと

会社が急成長する中で組織づくりの難しさを痛感

「会社が急成長する中で組織づくりの難しさを痛感

組織をつくる上で「人」は欠かせませんが、そのことに関しては大変だと感じる場面が多々ありました。もともと、最初は3人くらいで小さく会社をやろうと思っていたんです。

コンサルティング会社として1社1社のお客様をしっかりとサポートしていけば、最低限の生活はできるだろうという思いがあって。
でも、私の想像以上に、業務改善ビジネスのニーズが大きかったです。カッコよく言えば「小さくやることを市場が許してくれなかった」という感じでしょうか。

世間ではちょうど「働き方改革」が叫ばれ始めた頃というのもあり、ありがたいことにその波に乗らせていただいて。
2年目が年商2500万円、翌年が5000万円、その翌年が1億円…と、まさに倍々で成長していくので、とても3人じゃ回せない規模になっていったのです。

ただ、人を増やしていくとなれば、社内のスタッフたちとどう上手に関わっていくかを考えなくてはなりません。「きちんと組織を作っていく」という点で、最初はものすごく苦労しましたね。

 

「人は去るもの」という現実を受け入れた

組織づくりに試行錯誤する中で、「人は去っていくもの」という現実を受け入れました。
変な意味ではなく「人と人の間にはいつか必ず別れがある」という前提の下、それでもキャップドゥ―にいる間は幸せでいてほしいし、毎日を楽しんでほしい。そして、去る時も「楽しかった!」と言ってもらいたい。
従業員に対してそんな想いを心から持てるようになったら、自分がやるべきことがたくさん見えてきました。

私が具体的に取り組んだことの一例としては、属人的にならない業務のしくみづくりや、一人ひとりが楽しく働ける職場環境づくりです。
弊社のメンバーには、一人で黙々と作業したい人もいれば、子どもを連れて出社したい人もいる。自宅でテレワークをしたい人も、いろんな人がいます。

だからこそ「会社としてはこうなんだ」とガチガチに決めてしまうのではなく、一人ひとりの感情にしっかりと寄り添って、誰もが楽しく、幸せに働ける環境を整えることに注力してきました。こういった取り組みを始めてからは、社員満足度も上がっています。

 

人生の目的を実現できる場をつくりたい

人生の目的を実現できる場をつくりたい

私は、人生の目的を仕事にしてほしくない。一人ひとりが「自分ならではの生きる目的」を持ってほしいと考えています。

「家族との時間を大切にしたい」でも「海外旅行に行きたい」でも、なんでも構いません。
だから、その目的達成のためにキャップドゥー・ジャパンを使ってほしいという話を、メンバーにはずっとしています。それが実現できる場を提供することが、当社の存在意義だと思っています。

…と、いまは自信を持って言えますが、ここまで組織を作り上げていく過程は本当に苦労しましたよ(笑)
社員が会社を辞めるときって、やっぱり本音は言わないんですよね。でも、後々聞いてみると「社長にはついていけない」と思われていたりして。

以前は社員が去るたびに、申し訳ない気持ちになったり、もっと違うやり方があったのではないかと反省をしたり…。大人になってこんなに泣くのかという日もありました。人が辞めるときは本当に悲しかったです。

 

起業をして良かったこと・変わったこと

たくさんの笑顔を創出できる喜び

起業をして良かったこと・変わったこと

会社を立ち上げたことで、サラリーマン時代を遥かに超える、たくさんの笑顔を創出できるようになりました。このことに心から喜びを感じています。
社員を幸せにしたい。お客様を幸せにしたい。日々いろいろなことを考えています。そして会社として地域貢献活動をすれば、そこでまた笑顔を生むことができます。

どんな活動をするかも、起業をして社長になったからこそ決断できること。権限があるからこそ、自分の意志でいろんなことができるようになっているのだと実感します。

 

毎年3カ月間、まだ行ったことのない場所で生活する

時間とお金の使い方も大きく変わりました。まず時間については、自分自身で主体的に時間をつくれるようになりました。

社長には決まった就業時間がないので、ある意味、24時間いつでも仕事なわけです。でも、遊ぶ時間も自分で決めることができる。これは起業後の大きな変化です。
ちなみに、私は毎年3カ月間くらい「日本でまだ行ったことのない地域に住む」ことをやっているんですよ。これまでには鹿児島の指宿、五島列島、北海道の小樽などに行きました。
こんな過ごし方も、起業をしてなかったら実現できなかったことだと思います。

 

「モノ」よりも「体験」を大事にするように

「モノ」よりも「体験」を大事にするように

お金については、本当に使わなくなりましたね。サラリーマンの頃は、稼いだら稼いだ分だけいろんなものが欲しかったんです。
高い時計、ブランドもののバッグや洋服、カッコイイ車…。自分を飾ることにものすごくお金を使っていました。

でも、起業後は「モノ」よりも「体験」にお金を使うようになっています。
ファッションについてはもういろいろなことを考えたくないので、決まった服ばかり。靴も一つのメーカーの同じ種類しか買わないだとか。昔の自分では考えられないですよ(笑)
とにかく、いまは周りからどう見られてもいいと思うようになって、無理して自分を飾らなくなりました。

このことを先輩経営者に話したら、「それは『いらないから買っていない』のではなくて、『いつでも買えるから買わない』んだ」と言われて、なるほど!と思いましたけれどね。
人間はいつでも買えるようになると、そこまでモノを欲しくなくなるものなのかなと。

 

ターニングポイント

ターニングポイントは、息子が生まれたタイミングでしょうか。実は、起業をしたのは、ちょうど息子誕生の2カ月前だったんです。

その前から起業したい思いが強くなってきて、でも、なかなか踏み出そうと思っても踏み出せなかった。そんなときに妻の妊娠がわかり「いざ生まれるぞ!」となったときに、今後の人生のことを考えました。
そこで「俺は起業をしてビジネスを成功させて幸せになるんだ!」と、覚悟が決まりました。

ですので、私の起業は「決断をした」というよりも、「状況に決断を迫られた」のが大きかったのかもしれません。
ただ、決断する一つの材料として、先ほどお話した「自信」はありました。家族を最低限養っていくための最低限の売上は確保できると思っていたので、何とかなるだろうと思えましたね。

 

今後の展望

今後の展望

私は「何のためにビジネスをやるのか」をずっと大事にしていきたいと考えています。

もともと会社を作ったときにキャップドゥー・ジャパンの存在意義、つまり「我々は何のために世の中に存在すべきなのか」を深く考えていたんです。
そして我々の企業理念でもある「共に、歩む。」という言葉が生まれました。

単に売上を伸ばすだとか有名になるとかの話ではなく、これからもお客様と共に、地域と共に、の想いを大事にし続けたいと考えています。
もちろん、事業として世界に出ていきたい、大きくしていきたいという気持ちもあります。でも、なによりも我々が生まれ育った熊本の地域をもっと盛り上げていきたいと思うのです。

また、以前どこかで「成長している会社ほど、地域貢献・社会貢献をしっかりやっている」という話を耳にしました。
そういう活動は利益が出てからやるのではなく、まず先にやるべきだと。地域貢献や社会貢献をきちんとやるからこそ、会社は利益が出て成長していく。
この考え方には私も大きく共感しているので、そこを大切にしていきたいです。

今はまだ熊本に留まっていますが、もっと事業が成長すれば日本全国に貢献できるようになるかもしれない。そんな未来を目指して頑張っていきたいと思います。

 

起業を考えている方へのメッセージ

「起業を考えている方へのメッセージ

起業をするのなら、自分のビジネスを成功させることはもちろん大切。
ただ、それとセットで「自分が今できる地域貢献・社会貢献ってなんだろう?」ということを、皆さんにもぜひ考えてもらいたいです。

一人ひとりが小さいながらもそこを考えて取り組んでいけば、日本はもっとよくなるでしょうし、ビジネスをやる存在意義が出てくると思います。

私は起業をして本当に良かったと思っています。なぜなら、世の中にたくさんの笑顔を創り出すことができているから。
人生で「楽しい!幸せだ!」と思える瞬間とは、自分の頑張りによって周りの人たちが笑顔になることだと、私は強く実感しています。

起業前には、まず何のために起業するのか。その目的地をしっかりと決めてください。

また、売上とはとてもシンプルなもので「単価×数量」でしかありません。
なので、自分が単価を上げるビジネスをやっていくのか、それとも数量を増やすビジネスをやっていくのか。あまり難しい話ではなく、自分の価値はいくらか、サービスはいくらにできるのか。そして、それをどれだけの数だけ提供できるか。
それらをしっかり考えた上で、起業にチャレンジしてもらいたいなと思います。

 

やまもと社長はどんな人?

やまもとさんは、人に自分の弱みを見せることができる人。そして、周りを受け入れることをとても大事にしていらっしゃる人だと思います。

苦しいときは「苦しい」、うれしいときは「うれしい」、わからないときは「わからない」と素直に言える。

そんなお人柄が、やまもと社長の魅力だと感じています。自分から周りに対して壁をつくらない姿は、とても羨ましいです。
私もそれくらい周りに対して壁を取り外せたら、どれだけ仲間を増やせるだろうか…なんて思ったりもしますね(笑)
自分の弱みを他者に見せることができるのは、すごく大切だと思います。世の中、一人では生きられませんし、ビジネスも一人ではできませんから。

 

まとめ

森田さんのお話にもあったように、起業では大変なこと・苦労することもあるもの。
でも、頑張った分だけ、起業でしか得られない自由や喜び、楽しさもたくさん得ることができます!
自分らしくイキイキと働きながら、たくさんの人に笑顔を届けることができる…。そんな日々を送れたらとても素敵ですよね。

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