毎日朝から働いて、合間をぬって家事をして…。そんなワーママにとって、ゆっくり子どもと過ごす時間をつくるのは決して簡単なことではありませんよね。
でも、わが子の成長を楽しめるのは人生の一時期だけ。「もっと子どもと関わる時間がほしい!」と、もどかしく感じている方も多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、ワーママが子どもと過ごす時間を増やすためのヒントになる情報をまとめました。日常生活で実践できることもご紹介しているので、ぜひ参考にしてみてくださいね!
目次
親子時間の現状
学習塾運営・学習出版物の発行などの事業を展開する「学研」が4歳から6歳の子の親に対してアンケートをとったところ、1週間あたりの親子の会話時間は「平均3時間11分」という結果になりました。
引用元:(学研教育総合研究所「幼児白書Web版」2022年9月調査)
この時間を単純計算で1日あたりにすると、約27分。「思ったよりも少ないな」と感じた方もいるかもしれません。
また、「株式会社リビングくらしHOW研究所」が、全国のワーママを対象に「平日のライフ(生活)の時間配分」についてアンケート調査を実施したところ、以下のような結果が出ています。
【Q. 1日のうち家族のための時間はどれくらい?】
- 実態113分
- 理想135分(実態との差は22分と不足している)
また、この調査では、約8割の人が「子どもと一緒にいろいろな体験をしたい」と回答し、同時に約5割の人が「子どもと過ごす時間が不足している」とも答えています。
引用元:株式会社リビングくらしHOW研究所「~ワーキングマザーのワークライフ実態・意識調査~」2018年4月
このような結果を見ると、「子どもと一緒にいろいろなことをしたいけれど、家族で過ごす時間が足りていない!」と感じている人が多い現実が見えてきます。
最低限の親子のコミュニケーションの時間はなんとか確保していても、休日にゆっくり遊びに出かけることや、旅行を楽しむ時間まで取れずに悩んでいる人もいるのが現実です。
生涯で子どもと過ごせる時間はどのぐらい?
一生のうち、子どもと一緒に過ごせる時間はどれくらいなのでしょうか?
現代の家族関係について研究を続ける関西大学の保田時男先生は、NHKのバラエティー番組『チコちゃんに叱られる!』内で、以下のようなデータを発表しています。
【わが子と生涯で一緒に過ごせる時間】
- 母親:約7年6か月
- 父親:約3年4か月
さらに、保田先生によると、生涯で親が子どもと一緒に過ごす総時間のうちの約55%は、「子どもが小学校を卒業する時点」で過ぎ去ってしまうのだとか。
このような現実を知ると、「子どもが幼いうちに一緒に過ごす時間をたくさんつくりたい!」という気持ちがますます強くなってきますよね。
子どもとの時間を大切にするための習慣5選!
「もっと子どもと過ごす時間をつくりたい!」と思ったら、まずはどんなことを意識すればよいのでしょうか?
ここからは、子どもとの時間を大切にするための習慣を5つご紹介します。ムリなく取り組めそうなものから、少しずつ生活に取り入れてみてください。
早寝早起きをする
親子時間を大切にするために、子どもが幼いうちは、親も一緒に「早寝早起き」の習慣を身につけるのがおすすめです。
毎日、子どもよりも1時間~1時間30分ほど早めに起きて家事を済ませておくと、ゆとりをもって朝の時間が過ごせます。落ち着いて子どもの朝食を準備したり、子どもとのコミュニケーションの時間が取りやすくなりますよ。
また、もし子どもが起きるまでに時間が余れば、朝の静かな「ひとり時間」を、趣味や学びなど自分が好きなことにあてることもできます。
ただ、睡眠時間を極端に短くすると、日中に眠気がきて仕事や生活に支障が出てしまいやすいので要注意。朝早く起きる分だけ夜も早めに寝る習慣を身につければ、心身ともにリフレッシュして1日を過ごすことができるでしょう。
子どもといるときはスマホやテレビをなるべく控える
いつでもスマホ片手に、スキマ時間にはSNSをチェック。夕方から夜までテレビはずっとつけっぱなし。現代社会には、そんなふうに過ごす人もたくさんいます。
ストレスが溜まりがちなワーママにとって、もちろん自分が好きなことでの気分転換は大事!でも、子どもと一緒にいるときだけはスマホやテレビをなるべく控える意識を持つと、子どもと1対1で向き合う時間を少しでも増やすことができますよ。
たとえば、テレビを見るのは決めた時間だけにして、残りの時間は子どもとの会話や、親子で一緒に遊ぶ時間にあててみましょう!どうしてもスマホの通知が気になってしまう人は、子どもが寝るまでの時間は一時的に機内モードにしておく、別の部屋に置いておくなどの方法をとるのも効果的です。
計画的に家族団らんの時間を確保する
いろんなタスクを抱えるワーママだからこそ、家族団らんの時間を計画的に確保することも大事です。
「やらなきゃいけないことが全部終わってから…」「そのうち時間に余裕ができたら…」と思っていると、空いた時間にもつい仕事や溜まった家事などを優先してしまい、いつまで経っても余暇の時間がとれないことがあるからです。
子どもと過ごす時間も、自分にとっての大事なイベントのひとつと捉えて、仕事など他の予定を立てる前に、「家族団らんの時間」をスケジュールに入れ込んでしまうと良いでしょう。
寝る前の時間を大切にする
子どもが寝る前の時間は、1日の子どもとの関わりの中でも最も大切にしたいひとときです。国内外のさまざまな研究でも、寝る前に親と十分にコミュニケーションをとった子どもは、安心してグッスリ眠ることができることがわかっています。
ついバタバタしがちな夜ですが、子どもが寝る前には、少しでも親子で一緒に遊べる時間をつくりましょう。なお、寝る前の遊びは子どもが興奮しないように、ゆったり楽しめるものが良いのだとか。座って遊べるパズルや積み木などの知育玩具や、お絵かきなどがおすすめです。
また、絵本の読み聞かせは、子どもの情緒や言語の発達にも良い影響があるといわれています。寝かしつけの時間を含めた夜のコミュニケーションの時間を大切にしていきたいですね。
休日は思いっきり子どもと楽しむ
平日に忙しくしているワーママは、休日になっても「あれもやらなきゃ、これもやらなきゃ」と、なかなか気持ちが落ち着かないかもしれません。
でも、忙しいからこそ、意識的にオンオフのメリハリをつけることも大事です。休日はオフの時間として、子どもとゆっくり過ごす時間をつくりましょう。
休日を思いっきり楽しんで子どもの笑顔にたくさん触れれば、親も「また仕事をがんばろう!」と気分をリフレッシュすることができます。オンオフをハッキリさせることで「次の休みまでに仕事や家事を効率よく終わらせておこう!」などと、前向きに捉えていけると良いですね。
旅行の計画を立てる
たまにはまとまった休みをつくり、家族旅行の計画を立てるのもおすすめです。
子どもと一緒の旅行は大切な家族の思い出になり、親子の絆を深めるのに役立ちます。また、子どもが非日常的な場所でいろいろな刺激を受けて新しい体験をすることは、脳の発達においても良い影響を与えるのだそうですよ。
ただ、親にとっての子連れ旅行は、ただ楽しいだけではないのも現実…。移動中に子どもが急にグズり出す、宿泊先で急に体調を崩す、など次々に起こる想定外の事態に、まるで「ミッション」のような感覚をもつ人もいるかもしれません。
そんな子どもとの旅の思い出をなるべく楽しいものにするために、ちょっとした工夫をしてみましょう。たとえば、旅先のスケジュールは詰め込まず十分なゆとりを持たせる、帰宅後すぐ寝られるように寝室にあらかじめ布団を敷いておくなどしておけば、少しでも親の負担は減るはずです。
子どもとの時間を増やすには?
「子どもとたくさん過ごしたいけれど、とにかく時間が足りない!」
そう感じている方でも、ちょっとした心がけで少しの時間をつくり出すことはできます。
ここでは、日々慌ただしくしているワーママが、今よりもっと子どもと過ごす時間を増やすためのコツ・考え方についてご紹介します。
価値観を変える
仕事に家事、育児、趣味、友人づきあい、スキルアップのための学び…など、わたしたちの日々の暮らしは「やりたいこと・やらなければならないこと」であふれています。
そんな中でも「子どもとの時間を増やしたい」と思ったときには、考え方や価値観を少し変えてみましょう。
「自分にとって本当に大切なことは何だろう?」と考えてみると、いろいろな「やりたいこと・やらなければならないこと」の中にも「これは後回しにしてもいいや」「これにはそんなに時間はかける必要ないな」と思えるものが見つかるかもしれません。
幼い子どもの成長を間近で見守ることができるのは、人生の一時期だけ。「今」を大切に過ごすための時間の使い方を、しっかりと考えていきたいですね。
タイムスケジュールの見直し
子どもと過ごす時間を増やすために、1日のタイムスケジュールを見直すことも有効です。
家事や仕事など毎日やるべきタスクを洗い出して、何時頃に、どれくらいの時間をかけてやる必要があるのかを割り当てていきましょう。タイムスケジュールを形にすると、毎日どんなことに時間を多く取られているのかがわかり、どの時間帯なら少し時間が作れそうかが見えやすくなります。
たとえば、家事を朝・晩とこまめにやっていた場合は、「決まった時間に1回で済ませる方が効率が良さそう」などの発見があるかもしれません。
なお、タイムスケジュールを組むときには、少し時間に余裕をもっておくのがコツ。突発的な事態が起こったときに慌てずに済みますよ。タイムスケジュールは子どもの成長段階やライフスタイルが変化した際にも、ときどき見直していきましょう。
代行サービスを活用する
子どもとの時間を増やすためにおすすめなのが、「代行サービス」の活用です。
世の中にはさまざまな代行サービスがありますが、特にワーママ向けといえるのが、家事全般に対応する「家事代行サービス」。掃除や洗濯、食器洗いなどはもちろん、食事の作り置き、買い出し、子どもの送り迎えなどまでお願いできるサービスもあります。
ワーママが何もかも自分で完璧にこなそうとすると、自由な時間がどんどんなくなり、ストレスが溜まってしまいがち。代行サービスを上手に活用することで、「子どもがいたずらをしてもイライラしなくなった」「家族団らんの時間が持てて家族みんなの笑顔が増えた!」などと話す人も多いです。
なお、家事代行サービスは単発でのスポット依頼ができるもの、定期的な契約を結ぶものなど多種多様です。ご自身のニーズに合うサービスを探してみてくださいね。
働き方を変える
働き方を変えることも、時間を増やすためのひとつの方法です。
たとえば、以下のような方法が考えられます。
【働き方を変える方法】
- 別の企業へ転職をする(ライフワークバランスや休暇が取りやすいなど)
- 部署移動をする(残業がない・リモートワークができるなど)
- 雇用形態を変える(正社員から派遣社員・パートタイマーなど)
- 起業をする(在宅でもできる「ひとり起業」など)
働き方を変えるのは、ここまでに紹介した方法と比べて少し手間がかかりますが、生活スタイルをガラリと変えるには効果的。今の働き方ではどうしても時間をつくるのが難しいと感じている方は、一度、働き方を見直してみると良いかもしれません。
ひとり起業については、以下記事で詳しく説明しておりますので、気になる方は是非ご覧ください。
【まとめ】子どもと過ごせる時間は短い!後悔のないように工夫しましょう!
子どもが学校に通い始める「学童期」を過ぎると、親子が一緒に過ごせる時間はますます減ってしまいます。子どもの成長はとても早く、ふとしたときに「もうこんなに大きくなった!」と驚かされることも。
子育ては、まさに1日、1日が唯一無二の時間。日頃から子どもとできるだけ一緒に過ごす時間をとることで、子どものちょっとした成長の変化にも気づきやすくなるでしょう。
過ぎ去った時間はもう取り戻せないからこそ、後悔のないようにさまざまな工夫をして、子どもと過ごす時間をちょっとでも増やしていきたいですね!