「営業職の魅力って何?」「自分は営業職に向いているのかな?」
このような疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、「営業のやりがい・魅力」について解説していきます。また、営業職に向いている人の特徴や、営業を通して身につくスキルなども紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
営業職のやりがい・魅力とは
「営業職のやりがい・魅力」として、以下の6点が挙げられます。
【営業のやりがい・魅力6選】
- 成果が分かりやすい
- 評価基準がはっきりしている
- お客様の反応を直接見られる
- 会社の売上に直接貢献できる
- 人脈が広がりやすい
- 転職に強い
順に見ていきましょう。
成果が分かりやすい
営業の魅力としてまず挙げられるのは、やはり「成果が分かりやすい」こと。
例えば、人事職や経理職などのバックオフィス部門の仕事は、自分の頑張りが目に見える数字に表れづらく、どのくらいの成果を出したのか認識するのが難しい側面があります。
一方で営業の仕事は、テレアポ数・商談成功数・売上金額など、定量的に成果を測定しやすいです。自分の頑張りが数字として表れやすいため、その分やりがいも感じやすいと言えるでしょう。
評価基準がはっきりしている
「評価基準がはっきりしている」ことも、営業職の魅力のひとつです。
上述のように、営業業務の成果は、分かりやすく数字として表れます。もちろん企業によって評価基準は異なりますが、基本的には「個人目標やノルマを達成できたのかどうか」で判断されることになります。
「何をすれば上司に評価されるのだろう」「どうすれば出世できるのだろう」と悩む必要はありません。その答えは「営業成績を上げる」に尽きます。営業成績を上げれば上げるほど、上司から評価されやすく、昇給や昇進にもつながっていくわけです。
年齢や社歴に関係なく、平等に実力を評価してもらえるのは、営業職ならではのメリットでしょう。
お客様の反応を直接見られる
営業職は、会社の顔として、お客様と直接やり取りする立場にあります。そのため、お客様の表情や言葉をダイレクトに受け取ることが可能です。相手の課題を解決するために尽力し、「ありがとう!」「あなたが担当で良かった!」という声をもらえたら、営業パーソンとしてこれ以上ないやりがいを感じられるでしょう。
もちろん商談が成立しないこともありますし、冷たい反応をされることもあるかもしれません。しかし、直接感謝の言葉をもらえたり、商品の感想を聞けたりするのは、やはり営業職の特権ですし、やる気やモチベーションの向上にもつながるはずです。
会社の売上に直接貢献できる
「会社の売上に直接貢献できる」という魅力もあります。
営業は「企業の花形部署」とも言われており、会社の売上を大きく左右する、非常に責任感のある仕事です。極端な例ですが、営業部隊がいなければ、会社経営が成り立たないようなケースもあるでしょう。
企業の持続的な成長を実現するためには何よりも売上・利益が必要であり、その売上や利益を生み出すための最前線にいるのが営業職です。「自分の頑張りが会社の成長につながる」「会社を支えているのは自分なんだ」という感覚を得られるため、やりがいも感じやすいと言えます。
人脈が広がりやすい
仕事を通して人脈が広がっていくことも、営業職のやりがいのひとつでしょう。
営業活動を続ければ続けるほど、さまざまな人に出会うことになります。社外人脈が広がれば、新しい契約につながったり、別のキャリアに進むきっかけをもらえたりする可能性もあります。仕事はもちろん、プライベートの充実度まで高まるかもしれません。多種多様な価値観に触れ、吸収することで、社会人として何段階もレベルアップできるはずです。
そのため、営業職として仕事をする場合は、積極的に交友関係やコネクションを広げていくことをおすすめします。
転職に強い
「転職市場で評価されやすい」という魅力もあるでしょう。
営業職として経験を積んでいけば、基礎的なビジネスマナーはもちろん、コミュニケーション能力やヒアリング能力など、さまざまなスキルを身につけられます。このようなスキルは、どの業界・どの会社でも必要とされるものです。さらに最も大切な「モノを売るスキル」に長けていれば、転職市場で引く手あまたの人材になれるかもしれません。
そもそも、ほとんどの会社には営業系の部署が設置されています。ゆえに営業経験があれば、「応募する転職先が見つからない」という事態は避けられるでしょう。また、異業種へキャリアチェンジする場合でも営業経験は評価されやすいため、自信を持って転職活動を進めていけるはずです。
個人営業と法人営業のやりがい
営業活動は、「個人を相手にする場合」と「企業を相手にする場合」の2パターンがあります。いわゆる「個人営業(BtoC営業)」と「法人営業(BtoB営業)」です。
個人営業(BtoC営業)の場合は、一般消費者を対象に営業活動を行うため、購入までの意思決定がスムーズであるケースが多いです。ただし、話を聞いてもらえずに門前払いされることも少なくありません。
よって、いかに「相手と個人的な信頼関係を築けるか」が大切なポイントになります。うまく信頼関係が構築され、成約につながったとき、大きなやりがいや達成感を得られるでしょう。
一方で、法人営業(BtoB営業)の場合は、「企業を納得させるための合理的な説明」が求められます。もちろん担当者と信頼関係を築くことは重要ですが、高いプレゼンスキルや交渉力なども必要になってくるでしょう。
商材にもよりますが、比較的大きな金額が動きやすく、自社への貢献を強く実感できるはずです。また、「企業の経営層と直接やり取りできる」「影響力の大きい仕事ができる」といった魅力もあります。
新規営業とルート営業のやりがい
営業の仕事を「新規営業」と「ルート営業」の2種類に分類することも可能です。
新規営業とは、文字通り、新規顧客を開拓していく営業活動のこと。ときにはテレアポや飛び込み営業などを行い、まったく面識のない個人や企業にアプローチしていきます。
断られることが多いため、どうしても精神的なキツさは感じてしまいやすいでしょう。しかし、努力が実を結び、なんとか成約まで至ったときには、非常に大きな達成感を得られます。
一方でルート営業の場合は、新規の顧客ではなく、すでに取引実績のある既存顧客を相手にすることになります。お客様のアフターフォロー・改善点のヒアリング・新商品の提案などが主な業務です。
新規営業と比べればノルマは緩めに設定されており、「たくさん売らなければ」というプレッシャーは生まれにくいです。お客様との深い信頼関係を実感できたとき、自分の新しい提案によってお客様のビジネスに貢献できたときは、やはり大きなやりがいを感じられるでしょう。
営業でつらいこと・大変なこと
営業職にはたくさんの魅力がありますが、もちろん良い面ばかりではありません。
この章では、「営業でつらいこと・大変なこと」について簡単に解説します。
具体的には、以下の3点です。
- ノルマが設定されている
- 職場によっては残業が多い
- 営業先に冷たく対応されることがある
ぜひ頭に入れておいてください。
ノルマが設定されている
まず注意しなければならないのは、ノルマの存在です。
特に新規営業を担当している場合は、厳しいノルマを課されるケースが少なくありません。
例えば、周りの同僚は目標達成しているのに、自分だけノルマをクリアできていなければ、相当なプレッシャーを感じてしまうでしょう。
職場によっては、以下のような悩み・苦しさもあるかもしれません。
- そもそも無理なノルマが設定されている
- 上司に怒られる
- 売りたくない商品も売らされる
職場によっては残業が多い
会社にもよりますが、営業職は、残業が発生しやすい職種です。
主な理由は、以下の3つです。
- 日中に外回りや商談を行っているため、事務作業は会社に戻ってからしか進められない
- お客様や社内スタッフからイレギュラーな依頼を受けることが多い
- ノルマを達成できていない状態だと帰りづらい
毎日のように定時退社できている人もいるでしょうが、長時間労働に悩んでいる営業パーソンも多いでしょう。
営業先に冷たく対応されることがある
営業先に冷たく対応されることもあるので、心の準備はしておかなければなりません。
営業相手には、いろいろな人がいます。営業行為そのものに嫌悪感を抱いている人もいれば、単純に自分との相性が悪い人もいるでしょう。ときには無視されたり、悪口を言われたりする可能性も考えられます。
仮にこのようなことが毎日続けば、ストレスが溜まっていき、精神的に疲弊してしまうのも無理はありません。
営業職に向いている人の特徴
この章では、「営業職に向いている人の特徴」について解説していきます。
【営業職に向いている人の特徴5選】
- 相手の意図を汲み取れる
- コツコツと努力できる
- 論理的思考力がある
- 臨機応変に対応できる
- 表情が豊かで親しみやすい
順に見ていきましょう。
相手の意図を汲み取れる
まず、相手の意図を汲み取れる人は、営業職に向いています。
「口ではこのように言っているけれど、本心は違うかも」
「表情は明るいけれど、実際は違う提案を望んでいるな」
このように、常に「相手は何を伝えたがっているのか」「相手が本当に求めているものは何か」を考えられるため、お客様本位の営業活動を行っていけるでしょう。
コツコツと努力できる
コツコツと努力できる人も、営業職に向いています。
最初から営業成績の良い人はなかなか存在しません。1件のアポイントを取るだけでも一苦労でしょう。優れた営業成績を残しているトップセールスマンも、毎日のように失敗していますし、裏では地道に努力を続けているのです。
「何度も何度も試行錯誤を繰り返しPDCAを回していけるかどうか」が、営業で成功するための秘訣です。
論理的思考力がある
営業職には、論理的思考力(ロジカルシンキング)も欠かせません。
論理的思考力とは、情報を体型的に整理し、筋道立てて考えられる能力のこと。論理的思考力が高いと、相手の課題を発見しやすいですし、その解決策を見つけるのもうまくなります。また、説得力のある話し方ができるため、プレゼンも成功させやすくなるでしょう。
論理的思考力は、営業職に限らず、すべてのビジネスパーソンに必須の能力だといえます。ロジックを考えるのが苦手な方は、ぜひ、今のうちに身につけておきましょう。
臨機応変に対応できる
「臨機応変に対応できるかどうか」も非常に大切なポイントです。
初心者のうちは、マニュアルに沿って営業活動を進め、テンプレ通りに話を展開するのが望ましいでしょう。しかし、マニュアル通りに行動しても、実際はなかなか成約にはつながりにくいです。
「このお客様はこういう性格だからこのようなアプローチに変えてみよう」
「今日の〇〇さんはなんだか機嫌良いな。いつもより強めに新商品の提案をしてみよう」
このように、状況に合わせて臨機応変に対応する能力があれば、一流の営業パーソンとして活躍していけるでしょう。
表情が豊かで親しみやすい
表情が豊かで親しみやすい人も、営業職に向いていると言えるでしょう。
営業活動で何よりも大切なのは、「お客さんと信頼関係を築けるかどうか」です。状況にもよりますが、やはり笑顔で話してくれる営業パーソンの方が、お客様とすぐに打ち解けやすく、良好な人間関係を築きやすいです。
反対に、無表情で愛想のない人は、「会話がつまらないのかな」「自分に興味がないのかな」と勘違いされてしまうケースが少なくありません。
人当たりが良くて、初対面でも壁を作らないタイプの方は、ぜひ営業の仕事にチャレンジしてみてください。
営業を通して身につくスキル5選
最後に、「営業を通して身につくスキル」を5つ紹介します。
- 情報収集力
- コミュニケーション能力
- ヒアリング能力
- プレゼンテーションスキル
- 調整力
ぜひ参考にしてください。
情報収集力
まず、情報収集力です。
商談を成立させるためには、徹底した情報収集が欠かせません。例えば、以下のようなことが挙げられます。
- 事前にお客様の情報をリサーチする
- 提案書作成に必要なデータを集める
- 課題解決に役立つ最新情報を調べる
営業は、限られた時間の中でさまざまなデータにアクセスし、素早くかつ的確に必要な情報を集めなければならないわけです。そのため、自然と情報収集力が身についていくでしょう。
コミュニケーション能力
続いて、コミュニケーション能力です。
営業職の主な仕事は、お客様と良質なコミュニケーションを取り、自社商材を提案・販売すること。毎日のようにさまざまなお客様と会話をして、成功体験と失敗体験を繰り返すことで、自分のコミュニケーション能力も徐々に磨かれていきます。
コミュニケーション能力が向上すれば、社内外のさまざまな人と、さらに良好な人間関係を築けるようになるでしょう。
ヒアリング能力
次に、ヒアリング能力です。
当たり前ですが、一方的に話を進めても、なかなか営業活動は成功しません。重要なのは、相手が話しやすい環境を整えること。そのうえで、相手が抱えている悩みや課題を引き出すことです。
営業経験を積んでいけば、傾聴力やヒアリングスキルが自然と身についていくでしょう。「話し上手」だけでなく「聞き上手」にもなれれば、営業パーソンとして一段階レベルアップできるはずです。
プレゼンテーションスキル
営業職は、プレゼンの機会が多いです。ゆえにプレゼンテーションスキルも身についていくでしょう。
営業活動を成功させるためには、しっかりと商品やサービスの魅力を伝え、その必要性を感じてもらわなければなりません。伝えたい情報を一方的に説明するのではなく、相手目線に立ったうえで、「この商品が相手のどのような課題をどのように解決してくれるのか」を分かりやすくプレゼンする必要があるわけです。
そのため、「情報を整理して分かりやすくまとめる力」「論理的に説明する力」「聞き手の反応を観察する力」などのスキルが磨かれていきます。
調整力
最後に、調整力です。
営業職は、お客様と会社の間のポジションに立つような存在です。お客様からの要求と会社からの要求を受け止め、うまく調整していく必要があります。
お客様から無理なスケジュール変更依頼や過度な値引きをされることもあれば、社内の他部門からクレームが入るようなこともあるでしょう。全ての要望を受け入れることはできないため、各所の話をまとめながら、ちょうど良いところで折り合いをつけることになります。
このような調整力・折衝力を身につけておけば、社内外の人間からも高い評価を得られ、信頼の獲得につながるでしょう。
まとめ
「営業のやりがいや・魅力」をまとめると、以下の通りです。
【営業のやりがい・魅力6選】
- 成果が分かりやすい
- 評価基準がはっきりしている
- お客様の反応を直接見られる
- 会社の売上に直接貢献できる
- 人脈が広がりやすい
- 転職に強い
営業の仕事では、つらいことや大変なことにも遭遇するでしょう。しかし、営業は営業ならではの大きなやりがいを感じられ、自身のキャリアの強みになる多様なスキルも身につく職業です。興味がある方は、ぜひチャレンジしてみてください。