営業は大きなやりがいを得られると同時に、苦労の多い仕事でもあります。そのため、営業がうまくいかないことで悩む人も多いのではないでしょうか。
そこで、今回は営業がうまくいかない人の特徴と解決方法について解説します!
目次
営業がうまくいかない人の特徴
営業がうまくいかない人には、いくつかの共通した特徴が見られます。
たとえば、次の5つが挙げられます。
コミュニケーションが苦手
営業がうまくいかない人は、コミュニケーションを苦手としていることが多いです。
営業には、初めて会う顧客にも好印象を与え、中長期的な関係を構築する能力が求められます。さらに、タイプや年齢、立場の異なるさまざまな人と話し、多くの情報を聞き出したり、商品やサービスをアピールしたりすることも必要です。
しかし、コミュニケーションが苦手で「緊張してうまく話せない」「話を進めたりまとめたりするのが苦手」と感じていると、仕事そのものが負担となり、成果も思うように出せなくなってしまうでしょう。
責任転嫁する
うまくいかないことを人のせいにして責任転嫁する人も、営業がうまくいかない人の特徴です。
営業は断られることの多い仕事です。なかには、顧客の都合や競合の優位性など、外的な要素が影響して失注することもあるでしょう。それでも、営業は「顧客の課題解決につながる提案・販売を行い、売上に貢献すること」を目指さなくてはなりません。
うまくいかないことがあるたびに、「商材の価格が高いから」「競合が安い価格を提示してきたから」「顧客が忙しくて時間をとってくれないから」などと、営業活動がスムーズに進まない理由を環境や顧客のせいにする人は、そもそも営業の役割を理解できていないといえるでしょう。
また、自分以外に原因があると考えてばかりで改善する努力をしなければ、今後の成長も期待できません。結果的に、営業で成果を出すのは難しくなってしまいます。
ニーズが理解できていない
顧客のニーズが理解できていない人も、営業がうまくいきません。
顧客のニーズを理解できていなければ、顧客の課題解決につながらない商品を提案したり、逆に購入意欲のある顧客に気づかずにチャンスを逃してしまったりなどの失敗をしやすくなります。
しかし、営業の本質は、顧客の問題や課題解決をすること。そのため、顧客ニーズの理解は不可欠といえます。営業の際には、まずヒアリングで相手の潜在ニーズを把握し、問題提起を行ったうえで真のニーズを顧客に認識してもらわなくてはなりません。そのうえで解決策を提示することで、成約につながるようになるでしょう。
他人の評価を気にする
他人の評価を気にして振り回されてしまう人も、営業がうまくいかないことが多いでしょう。
仕事でよい評価をされれば、仕事へのモチベーションが高まります。しかし、表面的な数字を追い求めて、「顧客に決断を急がせる」といった強引な方法で契約を獲得していては、顧客にとって本当の満足や利益にはつながらず、そもそも契約に至らないケースも多いです。
顧客の課題解決のために行動した結果、高い評価を受けることが営業活動のあるべき姿です。上司など、社内の評価を気にして数字を意識し過ぎては本末転倒といえます。評価を気にして自己利益のために行動してしまう人は、営業に向いていないといえるでしょう。
気持ちの切り替えがうまくできない
「忙しいからとむげに断られた」「数字が思うように伸びない」など、営業でうまくいかなかったことを引きずって気持ちの切り替えがうまくできないことも、営業がうまくいかない人に見られる特徴のひとつです。
営業は、うまくいくことよりも断られることの方が多い仕事です。顧客にもさまざまな事情があるため、心ない言葉をぶつけられたり、冷たくあしらわれたりすることもあるでしょう。しかし、たとえ嫌な断られ方をした場合でも、その理由を尋ねたり他の提案をしたりといった柔軟な対応が求められます。
思うような成果につながらないときに、いちいち深く落ち込んでいては仕事になりません。うまくいかないことがあったときに気持ちを切り替えられない人は、営業で成果を出すのは難しいでしょう。
営業がうまくいかない原因
営業がうまくいかない原因として、ここまでは主に個人の性格や考え方に関連する話題を紹介しました。このほかにも営業がうまくいかない原因はいくつか考えられます。
「営業がうまくいかない」と感じたときには、次のようなポイントを見直してみましょう。
営業の準備やスキル不足
営業がうまくいかないときには、そもそもの準備やスキル不足によって、基本的な営業活動ができていない可能性があります。
たとえば、はじめて営業する企業のホームページを事前にチェックしていなかったために、ポイントのずれた発言をしてしまうといったケースが挙げられます。また、事前の準備不足によって、訪問先で資料やカタログなどをすぐに出せなかったり、口頭で営業をしたりしている場合、それだけで相手の印象を損ねてしまうことになりかねません。
また、ヒアリングがうまくできず顧客にメリットのない提案をしていると、「頑張って営業しても成果につながらない」と感じることが多いでしょう。
このように、事前準備や基本的なスキル不足は、営業がうまくいかない原因になります。
購入意欲のない人に営業している
たとえ魅力的な提案をしても、購入意欲のない人に営業していては成果につながりません。
営業がうまくいかない人は、購入意欲のない見込み客を見極められず、ただ接点のある顧客を追いかけてしてしまうことがあります。しかし、営業する相手を選ばなければ、懸命に営業しても成果があがらず、非効率な営業活動を続けることになってしまうでしょう。確度の低い顧客を追いかけるのは時間の無駄でしかありません。
「買わない」「いらない」などはっきりと断ってもらえれば見切りをつけられますが、なかには購入する気がなくても曖昧で濁すような断り方をする顧客もいるため、購入意欲があるのかどうかをしっかりと見極めることが重要です。
顧客の悩みを把握できていない
顧客の悩みを特定できていないことも、営業がうまくいかない原因となります。
営業がうまくいかないときには、「事前にリサーチをしていない」「ヒアリングがしっかりできていない」など、見込み顧客の業界や会社への理解が薄いまま営業をしている可能性があります。
営業が提案する商品は、「顧客の課題や悩みを解決するもの」であるのが前提です。顧客がどのような悩みを解決したいのかがわからない状態で商品を売ろうとしても、顧客の心には響きません。
顧客の悩みを理解できているのかを振り返り、「把握できていない」と感じるなら、行動の見直しが必要です。
自分が話し過ぎている
顧客よりも自分のほうが話しすぎている場合も、営業はうまくいきません。
営業をする側ばかりが話していると相手は退屈してしまい、話を聞いてくれなくなるでしょう。そもそも「人は説明を聞くのを嫌う」傾向にあります。
商品の機能や特徴について一方的に説明をすれば、相手はうんざりしてしまうでしょう。どれだけ熱く語っても、もともと商品について何も知らない顧客には半分も理解してもらえないはずです。
そのため、自身の営業活動を振り返り、商談中ずっと自分が話している場合には、話すよりも聞き上手になることを意識するなど、商品の説明ばかりにならないよう注意が必要です。
自信のなさが表れている
自信のなさや不安が表情や発言に表れてしまうことも、営業がうまくいかない原因になります。
営業として働いていると、成果につながらずに、つい自信をなくしてしまいそうな日があるでしょう。また、自分が売っている商品に自信が持てずに、売ることに対して罪悪感を抱いてしまうこともあるかもしれません。
しかし、そのような状態では、心から商品をおすすめすることはできません。そして、自信のなさを顧客が感じ取れば、相手も不安になって購入する気にはなってもらえないばかりか、「似たような商品なら他社から買おう」と思われてしまう可能性もあるでしょう。
営業が自身の提案や商材に自信をもたなければ、営業で成果を上げるのは困難です。
営業がうまくいかないときの解決方法
営業がうまくいかないときには、普段の行動を見直して改善を図る意識が大切です。
解決方法として、次のポイントに注目しましょう。
事前準備をしっかりと行う
営業がうまくいかないときには、まず事前準備をしっかりと行うことが大切です。
見込み顧客との商談の前には、業界や会社、扱っている商品などについてリサーチをしっかり行うことが大切です。それにより、初対面でも相手に自身の存在を印象付けることができたり、関係構築をスムーズに進められたりする可能性が高まります。
さらに、業績や業界の動向などを調べることで、顧客の抱えている課題やニーズについて仮説を立てられます。相手から受ける質問を想定して、最適な回答を準備しておくこともできるでしょう。
購入意欲があるかを見極める
顧客の購入意欲があるかを見極めることが、営業で成果を出すためには非常に重要です。
「商品を買いたい」「他社と比較検討している」など相手の発言から温度感を測り、購入意欲があるかどうかをしっかりと見極めましょう。
購入する気がない顧客には、いつまでも話を続けてもうまくいきません。もし、はっきりと「いらない」と言われたり、忙しいなどの理由で時間をまったくとってもらえなかったりする場合は「購入意欲がない」と判断できるので、それ以上の時間を割くのはやめることが賢明です。
購入意欲のない顧客にはさっさと見切りをつけ、購入する気がある顧客に話を進めていきましょう。
ヒアリングを徹底する
営業活動では、ヒアリングの徹底が重要です。
営業の役割は、顧客の要望に応えること。そのため、商品の説明を必死に行うのではなく、顧客の悩みをヒアリングし、その悩みを解決する手段として商品やサービスを提案する意識が大切です。
法人営業のヒアリングにおいては、「BANT情報」を確認しましょう。BANT情報は、「Budget(予算)」「Authority(決裁権)」「Needs(ニーズ)」「Timeframe(導入時期)」の頭文字をとったもので、提案の際に必要な要素です。
ヒアリング中に、聞くことを忘れてしまったり、何を聞けばいいかわからなくなってしまったりする場合には、あらかじめヒアリングシートを用意しておくとよいでしょう。ヒアリングシートを用意することで、抜け漏れを回避できます。
売れている人を参考にする
売れている人のやり方を参考にすることも役立ちます。
売れている担当者が用いる営業手法からは、学べることが多くあります。ロープレを活用する、上司や同僚の商談に同行するなどして、営業スキルや振る舞いを参考にしてみましょう。商談に同行できれば、第三者目線で上司の営業活動を観察し、ノウハウを学ぶよい機会となります。
そして、上司の対応を手本にして、営業同行で学んだことを自身の実践で反映し改善をしていきましょう。それにより、成約率が上がるなどの成功体験を重ねれば、自身の営業活動に自信をもてるようになるでしょう。
商談を振り返って改善につなげる
商談が終わった後は、あらためて内容を振り返り、次に活かすことが重要です。「何がよかったのか」「何が悪かったのか」と分析をすることで、さらに成果を出せるようになっていきます。
たとえ商談がうまくいったとしても、何かしら改善点があります。「今回うまくいったことを次回以降も再現するにはどうすればいいか」「うまくいかなかったのは何が原因か」など、自身の商談を客観的に振り返り、今後に活かせる課題をノートに書き出してみましょう。
改善点が明確になったら、次回の商談で営業活動に反映させていき、継続的にスキル向上を図りましょう。
トークスクリプトを作る
基本となる営業トークをマニュアル化しておくことも解決方法のひとつです。トークスクリプトを作成してあらかじめ会話の内容を決めておくことで、営業の負担を大きく軽減できます。
トークスクリプトとは、商談で話す内容などをまとめた「台本」のこと。トークスクリプトは、マニュアル同様の活用ができるため、事前に話す内容の基準を作成しておけば失敗を回避でき、説得力のある対応ができるようになります。
トークスクリプトは顧客ごとに複数パターンを用意し、自身の営業スタイルに自信が持てるまで改善しながら活用を続けましょう。
トークスクリプトをもとに、本番の際にスムーズな会話ができるよう、ロールプレイングなどを繰り返して営業トークを練習しておくことも役立ちます。
スクールや講座を受講する
営業がうまくいかないときには、スクールや講座の受講でスキルアップを図ることも有効です。
スクールや講座を受講すれば、わかりやすく体系化した講義で営業の基本を学べるため、営業のコツやスキルを短時間で身につけ、結果を出せるようになります。
不明点があるときには、講師に質問して疑問点を解決できるほか、現場で活用できる実践的なスキルを習得し、アウトプットで実践的な学習もできるため、たしかなスキルを身につけられるでしょう。
実践を踏まえて営業スキルを強化し、自身の営業力を向上させることで、次第に成果や評価アップにつながるようになります。営業がうまくいけば顧客に貢献している実感も強まり、より楽しさや、やりがいをもって仕事を続けられるようになるでしょう。
まとめ
頑張っていても営業がうまくいかない場合、自身のどこかしらに原因があるものです。
たとえば、「コミュニケーションが苦手」「気持ちの切り替えがうまくできない」といった性格的なことだったり、「購入意欲のない人に営業している」「準備やスキル不足」といった正しい努力ができていなかったりすることが挙げられます。
これらを解決するには、「顧客の課題解決をする」という本来の営業の目的に立ち戻り、「事前準備をしっかりと行う」「ヒアリングを徹底する」など、営業活動の改善を図りましょう。スクールや講座を受講することで、一連の必要な知識やスキルを身につけることも役立ちます。
営業にやりがいをもって楽しく働くために、ぜひこの記事を参考に、自分にできることから取り組んでみてください。
<参考>
Urumo!
株式会社アイドマ・ホールディングス
Sales Mag
Sales Drive│営業アウトソーシング TIS株式会社